「清潔にしたい」という意識が強すぎて、何度も洗顔をしていませんか?
 
皮膚を清潔に保つことは大事ですが、洗いすぎると逆効果になります。


 
美容に関する情報では、「洗わない」よりも「洗い過ぎ」の弊害を指摘する記事が多いのです。
 
このコンテンツでは、洗顔をし過ぎてはいけない理由や関連エピソードをまとめています。

洗い過ぎは顔の防御力を弱める

もともと肌には肌を守る働きをする常在菌が存在しています。
 
その常在菌を洗い流してしまうとバリア機能が失われ、肌のトラブルが増えてしまうのです。(これは顔に限らず肌全般に言えることです)
 

 
洗顔をくりかえして脂分を洗い流すと、皮膚が「脂分が足りない」と判断して脂分をどんどん分泌するようになってしまいます。
 
結果として、脂性の肌になってしまうこともあります。
 
同様の理由から、熱いお湯で洗顔するのもよくありません。肌の油脂分を根こそぎ落としてしまうからです。洗顔に使うならぬるま湯か水がベストです。
 
肌の脂分は肌が乾燥しないようための膜でもあります。冬に唇の乾燥を防ぐために塗るリップクリームのようなものですね。
 
洗顔のやりすぎは、顔の皮膚をむき出しの唇状態にするようなものです(せっかく油脂分が分泌されるのに…)。
 
そのまま乾燥した外気などにさらされたら、カサカサになってしまいます。そう考えると、けっこう怖くないですか?
 
洗顔料などを使う洗顔は多くても一日2回までにしましょう。
 
朝の洗顔は、脂分が浮いて気になるところだけ洗顔料を軽く使い、それ以外は水かぬるま湯で流すだけでOKです。
 
肌が乾燥気味であれば、朝から洗顔料を使う必要はありません。
 

 
外から帰ってきたときも、クレンジングでメイクをしっかり落とせば十分です。
 
美肌のカリスマと呼ばれる佐伯チズさんも「クレンジングの後の洗顔は必要無い」とされています。
 
肌の常在菌や脂分は外気から肌を守るバリアであると同時に、潤いを保つベールでもあるのです。

顔はソフトに洗う

テレビなどでたまに「正しい洗顔の仕方」という企画がとりあげられます。
 
これまでにそういった特集は何度も目にしており、そのたびに、
 
「ものすごくソフトに洗うなぁ」
 
と感じませんか?
 
ちょっと見たところ「ソフトすぎじゃない?」とか「あれでちゃんと洗えてるのかな?」と思えるほど、軽~くなでるように洗うのです。
 

 
そういった特集をこれまでにテレビで2~3回見ましたが、いずれも優しく洗うことは共通していました。
 
ゴシゴシこするとなぜいけないのかというと、
 
・こすると皮脂まで落としてしまい、肌のバリア機能が失われてしまうから
 
というのがメインの理由です。
 
バリア機能が失われてしまうと肌の乾燥、皮脂の過剰分泌、ニキビ・シミの原因になるといった弊害が起きてしまいます。
 
人によっては、メガネ拭きで顔を洗うという人もいるようですね。
 
また、こする洗顔ではシワができやすくなります。
 
洗顔の際には「こする」というよりも「指の腹で撫でる」という意識を持ちましょう。
 

 
目の周りや口周りは皮膚が薄いため特にデリケートに洗う必要があります。
 
泡を洗い流すときもこすらずに、水をかける感じでゆすぎ、顔をタオルで拭くときも、当然ゴシゴシこすってはダメです。タオルを押し当てるようにして水分を取りましょう。

山本 国さん こんなフェイスケアはやってはいけない

美容家の山本 国さんは、以下のようなフェイスケアはNGとしています。
 
ひとつでもあてはまっていたら「間違ったフェイスケアを実践している」そうです。
 
・洗顔前にクレンジング剤でマッサージし、汚れを浮き上がらせている
 
・ティッシュやコットンでクレンジング剤をしっかりふきとっている

 

 
・フェイスブラシを使って、ていねいに洗顔している
 
・古い角質をとるために、ピーリングやスクラブ洗顔を行っている
 
・シャワーを使って洗顔剤をしっかり洗い流している
 
・洗顔剤が残らないように、ゴシゴシとよくすすいでいる
 
・洗顔後、タオルを押し当てて水分をしっかりふきとっている

 

 
・洗顔後、パタパタと何度もパッティングしている
 
・化粧品をより浸透させるよう、手でギュッと肌を押さえ込んでいる
 
・毛穴の黒ずみをとるため、シートパックを使っている
 
・しっかり乳液を塗っている
 
・保湿用として油分が入った栄養クリームを朝晩欠かさず塗っている
 
・外出するときは必ずファンデーションを塗っている

 

 
このチェック項目は、「山本国77歳・素肌の秘密」の48ページに掲載されています。
 
山本さんのフェイスケアのポイントのひとつは、「とにかく顔を触らない」です。(押さえつけるなどはもってのほか!)
 
洗顔する際も、顔にぬるま湯をすくいかけるだけで、手で顔をこすったりしません。
 
さらには、顔のパッティング、クリームを浸透させるため顔を手で押さえる行為もダメ、なのだそうです。
 

 
このへんは、他の美容家さんの主張とはやや違うようです。
 
山本さんは、こうした行為によりシミやシワが増えてしまう、と考えています。

綾瀬はるかさん石田ゆり子さんの洗顔 水やぬるま湯でごく軽く

雑誌「女性セブン」に「『こすらない』洗顔がいいらしい」という記事がありました。
 
綾瀬はるかさんや、石田ゆり子さんなど、「軽く洗う」女優・女性タレントが4人紹介されています。
 
一部引用させていただきます。

バラエティー番組の「メイクさん200人が選ぶ芸能界美肌ランキング」で堂々の1位を獲得した綾瀬。
 
以前、彼女はある女性誌のインタビューでこんな美肌の秘密を明かしている。
 
「朝は水のみで洗うことが多いです」
 
綾瀬と同じように、石田ゆり子(45才)も著書で夜はクレンジングをするが、朝は保護膜を取りすぎないようにぬるま湯でさっと洗い流し、最後に冷水で引き締めると綴っている

軽く洗うよう心がけているのはこの二人だけではありません。

また梨花(41才)も著書で、こう明かしている。
 
「洗顔って、肌には結構負担がかかるんだよね。だから顔をゴシゴシ洗うのはすごく抵抗があるの。そこで考えたのが”洗わない・こすらない”私なりの洗顔法」
 
黒木瞳(54才)も以前、テレビ番組で、
 
「お水でバシャバシャッてやればそれでいいのよ!余計なことしないのがいちばん」
 
と語っている。
 

「日本を代表する美女」と呼んでも許されるこの4人が実践している洗顔法であれば、一般人もやってみる価値はあるはずです。
 
この記事には、村上皮フ科クリニックの村上早織院長の解説もあります。

洗顔の時にゴシゴシこすると角質の表面を傷つけたり、軽い炎症が起きて、しみの原因になります。
 
ゴシゴシ洗って肌の表面が傷つくぐらいなら、少々汚れが残っちゃったほうがいいぐらいです。
 
つまり洗いすぎないことが重要なんです。
 
”洗う”というのは汚れを落とすだけじゃなく、皮膚に大事な細胞間脂質を落としてしまうことが多い。
 
そうなると肌がガサガサになって、外から菌や刺激物が入りやすくなり、炎症を起こしやすくなります。
 
炎症を起こすと、シミ、くすみ、吹き出物などのトラブルを引き起こしてしまうのです。
 

村上院長は、おススメの洗顔法として次のやり方を挙げています。

朝は水洗いのみで、夜は化粧をしたときはクレンジングをして、そのあとは泡で一度洗いをお勧めしています。
 
朝は洗顔料を使わないほうがいいです。
 
睡眠中には肌を修復する成分が体の中から出てきます。
 
それを汚れだと思って洗顔料で洗い流してしまったら、マイナスからのスタートになってしまいますから。
 

どの程度洗うかはいろんな説があり、各自の肌質の違いも関係するので簡単に結論づけることはできません。
 
各自で試してみて自分に合うやり方を採用しましょう。
 
いずれにしろ、「洗いすぎは良くない」という主張が有力なのは間違いなさそうです。
 
このコンテンツは雑誌女性セブン2015年3/5 号33ページを参考にしました。