小林暁子医師が、著書「医者が教える最高の美肌術」で糖化を防ぐための食事について解説されています。

同書の45~57ページから一部を抜粋して紹介します。(この本は参考になりますよ!)

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医者が教える最高の美肌術
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10のポイントを挙げますが、全て実践できなくても問題ありません。
 
小林医師は
 
「すべて完璧に守れなくても、まずは自分がやりやすいことを、ひとつかふたつ取り入れるくらいの感覚でOKですので、気楽にはじめてみてください」
 
としています。

1 血糖値の上昇を抑える食品と組み合わせて食べる

GI値を参考にしつつ、食材の組み合わせを意識しましょう。

いちばんのポイントは、糖質量の多い食品、そして、食後の血糖値を急上昇させるGI値の高い食品をできるだけ避けること。
 
ただ、このGI値という指標、よく確認してみるとわかるのですが、実は評価の仕方によって数値が異なるのです。
 
ひとつの情報だけを鵜呑みにして、「にんじんは、GI値が高いから絶対食べちゃダメ!」と思っていると、実はそうではなかった…ということになる可能性もあります。
 
一般的にGI値が高いといわれる食品にどんなものがあるのかを知っておくことは大切ですが、私が何より重要だと思うのは「組み合わせ」です。
 

 
たとえば、GI値が高い食品を食べるときは、血糖値の上昇をゆるやかにする食物繊維が豊富な野菜と組み合わせて食べる。そうするだけで、糖化対策になります。

これは同時に、糖尿病や体重増加も防いでくれます。




2 「ベジファースト」と「セカンドミール効果」を意識する

食べ方の工夫はここでもポイントです。

糖化対策に外せないのは、食物繊維。便秘予防などの整腸効果がある栄養素というイメージがありますが、糖の吸収をゆるやかにする働きもあります。
 
「ベジファースト」とは、ベジタブル・ファーストの略で、食物繊維がたっぷり含まれた野菜類を、食事の最初に食べるという方法。
 
野菜(サラダや副菜、汁物など)→たんぱく質(主菜)→炭水化物(主食)
 
食事のときには、この順番に食べるというのが基本です。「食べる順番ダイエット」としても知られていますが、糖化を防ぐ効果もあります。
 
もうひとつの「セカンドミール効果」は、一日のうち最初に食べた食事が、2回目にとった食事の血糖値に影響を及ぼすという理論です。
 
たとえば、朝食に食物繊維量の多い食事をとると、昼食の後の血糖値上昇も抑える効果があるということが、さまざまな研究により実証されています。
 
毎日の朝食では、積極的に、食物繊維が豊富なものを食べましょう。

「最初に食物繊維を含むものを食べる」のがポイントですね。

3 AGEの多い食品を避けて抗糖化食品を食べる

料理や食べ方もAGEと関連しています。

前項で、AGEは食品にも含まれており、高温調理した食品ではとくに含有量が多くなると説明しました。
 
AGEは、タンパク質と糖が反応してできる物質ですから、なかでも、高温調理したお肉を甘いタレとともにいただくような食べ物は、かなりAGE量が多くなります。
 
要注意なのは、揚げ物、バーベキュー、焼き肉など。また、ベーコンやフライドポテトも高AGE食品の代表格です。
 
これらの高AGEフードを控えると同時に、体内で糖化を抑える効果のある食品を積極的にチョイスすると、なおよいでしょう。
 

糖化を抑制するおすすめの食品があります。

抗糖化が期待できる食品のなかでも、取り入れやすいものをふたつご紹介します。
 
まずは、お酢やレモン汁。
 
これらは、血糖値の上昇とともに、AGEの合成も抑えてくれることがわかっています。マリネにしたり、脂っぽい料理にちょっとかけたりして、調味料として上手に活用しましょう。
 
そして、もうひとつは、オリーブオイル。私が自宅でつくる料理も、ほとんどオリーブオイルを使っています。
 
糖の吸収を遅らせてくれる働きがあるので、たとえば糖質たっぷりのパンもオリーブオイルと一緒に食べれば、血糖値の上昇がゆるやかに。実際に、その効果を示す研究データも出ています。
 
オリーブオイルはできれば、良質なエキストラバージンオイルがベストです。
 

酢やレモン汁、オリーブオイルはいずれも身近な食材なので、積極的に使ってみましょう。

4 白いごはんは”冷まして”食べる

いつも食べるごはんにも、ちょっとした工夫ができます。

白いごはんをどうしても食べたいときは、冷ごはんにするのもおすすめ。
 
冷えたごはんは、でんぷん質が固まることにより、食物繊維と同様の働きをするレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)という成分が増加します。
 
つまり、同じ白米のごはんでも、ごはんが冷えた状態で食べるお寿司やおにぎりなら、食物繊維を多く含む主食と同じような効果が期待できるのです。
 

5 甘いものの”ちょこちょこ食べ”はNG

ついついやりがちな習慣にも注意が必要です。

仕事をしながら、または家事の合間などに、ちょこちょこと甘いものをつまんで食べたりしていませんか。
 
チョコレートやクッキー、キャンディなどの”ちょっとしたお菓子”だと、つい油断して断続的に口にしてしまいがちですが、こういった習慣はNG。血糖値が下がらない状態を持続させることになるため、糖化を早めます。
 
(中略)
 
おやつを口にするなら、漫然と食べ続けることはせずに「おやつタイム」を決めて、適量を食べ終えたら切り上げるようにしてください。
 

6 血糖値を一気に上げる菓子パンはやめる

すっかりおなじみになったコンピニ食品も控えたほうが良さそうです。

コンビニなどで売られている菓子パンは、食べないに越したことはありません。成分のほとんどが糖質で占められているため、食後の血糖値を急上昇させるうえ、糖質以外、からだにとって役に立つ栄養素がほとんど入っていません。
 
しかも、善玉コレステロールを低下させ、悪玉コレステロールを増加させるトランス脂肪酸や、前述したような食品添加物もたっぷり。
 
(中略)
 
ときどき食べる”ご褒美スイーツ”は、なるべく高品質なものを選んでください。そうしたメリハリが、正しい食事術を習慣化するモチベーションになるはずです。
 

7 「ノンシュガー」の表示に騙されない

表示から受ける印象と実際に含まれている成分とは違う場合があるのでご注意を。

近年の健康志向で、「無糖」「ノンシュガー」「シュガーレス」と、糖分カットをアピールする商品が多く登場しています。
 
ただし、これらの表示があっても、糖分がまったく含まれていないわけではありません。また、砂糖が使われていなくても、食品添加物として人工甘味料が使われているケースも多く、とり過ぎは避けたいところです。
 
また、「ノンシュガーだから大丈夫」という意識で、甘いものをとることが習慣化してしまうのもよくない点です。
 
日常的に甘いものを食べたり、飲んだりしていると、依存が生じ、甘いものがないと我慢できなくなってしまいます。
 
味覚は「習慣」や「慣れ」の部分が大きいもの。機能性食品に頼りきることなく、ヘルシーな食生活を実現させていきたいものです。
 

8 水を一日1.5~2L飲む

水分摂取についてはいろいろな主張があり、小林医師は意識してとるよう推奨されています。

水分補給をしっかりすると、血中の糖の濃度が薄まり、血糖値が下がります。毎日、1.5~2Lを目安に、水分をとることを習慣にしましょう。
 
水分は、水以外のもの(たとえば、お茶やコーヒーなど)でとってもOK。ただし、清涼飲料水など、糖分を多く含む飲み物はご法度です。
 
ドリンク類(液体状の食品)は、固形物にくらべて急激に消化管に入り、血糖値をスパークさせてしまうのです。
 
清涼飲料水のほか、一見、健康によさそうな野菜ジュースやフルーツジュースも、実は糖分が多いので要注意。ヘルシーで美容によさそうなイメージがありますが、飲みすぎないように用心する必要があります。
 

「水分」にもいろいろありますが、結局は普通の水が一番良さそうですね。

9 食後に軽い運動をする

これも血糖値の上昇対策です。

食後の血糖値の急上昇を抑える方法として、運動も効果的です。糖尿病患者の方が、食後に運動をすすめられているのも、そのためです。
 
また、からだを動かしてエネルギーを使うことは、AGEをため込まないことにもつながります。
 
食後30分~一時間くらいしたら10分ほど、ウォーキングなどの有酸素運動をしたり、軽くストレッチをしたりするだけでも、血糖値の急上昇を抑える効果が。
 
これは、おやつにスイーツや甘いドリンクを口にしたあとの”糖化軽減策”としても有効です。糖質たっぷりのドリンクを飲んでしまったあとは、ひと駅分、歩いて移動してみてはいかがでしょうか。
 

以前は「食事の後は安静に」といわれていましたが、血糖値のコントロールを考えれば体を動かすほうが効果的なようです。

10 過食をしない、急いで食べない

最後は食事においては昔から指摘されている、基本的なポイントになります。

糖質をとり過ぎると、血糖値は急上昇します。ですから、主食や甘いもののドカ食いは禁物。これは、ここまでの解説でもすんなりとご理解いただけるでしょう。
 
しかし実は、血糖値の上昇のスピードには「食べる量」だけでなく、「食べ方」も大きく関わることがわかっています。同じ量の糖質をとっても、短時間でとるほど血糖値の上昇スピードは早くなるのです。
 
つまり、大急ぎでかき込むような食べ方は、血糖値の急上昇を招くということ。
 

 
多忙な仕事や家事に追われ、女性でも”早食い”が習慣になっている方は少なくないかもしれません。それでも、可能な限り食事はゆっくりと、よく噛んで、30分以上(できれば1時間以上)の時間をかけて味わうようにしたいものです。
 
また、食事を抜くことを習慣にするのも避けましょう。
 
「お腹ペコペコ」の状態だと、つい”ドカ食い”をしてしまうこともありますし、食事を抜いて空腹の時間が長く続くと、その後、糖質をとったときに血糖値の激しい急上昇が起こりやすくなります。
 
とくに、朝食を食べないのは最悪の習慣といってもよいでしょう。朝食を抜くと、昼食後と夕食後の血糖値が上がりやすくなるという研究報告もあります。
 
食事はひと噛みを大切にすることが、美と健康につながります。
 
常識としていわれ尽くされていることではありますが、これが、美と健康の王道だと心得ましょう。

食事に30分かけるのはなかなか難しいですが、せめてできるだけよく噛んでたべることは意識しておきたいものです。